無へと。 |
作者:
四ッ谷神子
2010年06月03日(木) 21時48分28秒公開
ID:dkijgW/uKpw
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「僕に近づかないで。君がみんなから嫌われる」 そう言って、僕はまた友達を突き放す。いや、友達じゃない。ただの、僕に寄ってくる人間達。 僕は、みんなに嫌われている。理由は、わからない。だけど、それでいい。 友なんて必要ない。 僕は、独りでいれれば、それでいい。 先生まで、僕をみんなの輪の中に入れようとする。だから、その時は「僕は好きで独りでいるので、構わないでください」と言う。そうすれば、一時的に諦めてくれる。 そして、僕の感情は、もう少しで、消える。 この部屋の明かりが消えたら、人を突き放すことも、自ら寄り付いていくこともなくなる。 「おやすみ」 最後の一言を呟き、明かりを消した。 ひとすじの涙を流しながら。 明日にはもう、僕は無い。 |
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