"世界" |
作者:
四ッ谷神子
2010年05月05日(水) 07時18分16秒公開
ID:88KaFC46OYk
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ここは、どこかもわからない世界。 僕は、真っ黒な中にたたずんでいた。 「ここは・・・?」 そこに、一人の女の子の姿。 「ここは、時間と時間の間。あなたは、時間の断層に迷い込んだ」 時間の断層。 信じることができなかった。 女の子は付け足した。 「ここに迷い込んだら、帰れる可能性はほぼゼロ」 「どうして僕はここに迷い込んだんだ?」 「原因はない。あるとしたら、それはほんの偶然に過ぎない」 偶然という言葉だけで解決され、僕の頭に怒りがこみ上げた。 「なんで偶然で僕の人生台無しにされなきゃいけないんだよ!」 「そうね。だから、私がいるの。ここに迷い込んだ人を元の世界に返すために」 元の世界に戻りたい。 そう思った僕は、少女に質問を投げかけた。 「本当に・・・戻れるのか?」 「戻ることは簡単。私の力をもってすれば。ただし、大きなリスクがある」 「リスクがどんなに大きくてもいい! 元の世界に帰してくれ!」 「いいわ。戻りましょう」 視界が、急に明るくなった。 そして、そこには、僕が前にみていた光景とは全く違っていた。 「なんだ・・・これは・・・」 「言ったでしょ、大きなリスクがあるって。」 僕は、なにも言えなかった。 |
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