"さよならなんて" |
作者:
四ッ谷神子
2010年05月03日(月) 22時27分39秒公開
ID:88KaFC46OYk
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私は昔、孤児院で育った。 両親の記憶はない。 事故で死んだと聞かされていた。 私には名前もなく、孤児院で‘篠崎江梨那’と名付けられた。 その孤児院で、如月ユイトと出会い、幼なじみになった。 私たちはいつも一緒だった。 『ユー君! あそぼ!』 『あ!えりなちゃん!いいよ!』 孤児院の頃は一緒に遊ぶほど仲がよかった。 それが、高校生になった今。 「ねぇ、ユイト・・・」 「んだよ。女に構ってる暇なんかねぇ。つうかてめぇ、ウゼェ」 と言うばかり。 (なんで・・・どうして・・・) 気づけば、小学校高学年くらいからだんだん心が離れていってる気がした。 中2で一緒に登校しなくなり、中3で、言葉を交わさなくなった。 複雑な気持ちを抱えたまま数日が過ぎたある日、突然ユイトに呼び出された。 「どうしたの?突然・・・」 「お前さ、ウゼェんだよ」 「え・・・」 「いつまでもいつまでも付きまといやがって・・・いい加減ウザすぎて耐えきれねぇ ・・・お前殺すわ。死ね。これでさよならだ」 「やめ・・・ やめてぇぇえぇぇえ!」 さよならなんて言わないで さよならなんか言わないで 「さよなら・・・なんて・・・」 −−終−− |
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