ヤンデレ小説(実験)
作者: 三流小説書き   2008年10月15日(水) 22時09分39秒公開   ID:BfiTw8OLGCo

どうして、素直になれなかったんだろう?
貴方が迎えに来てくれた時、本当は嬉しかったのに。
一人ぼっちの誕生日にケーキを持って来た時、心が温まったのに。
私は気恥ずかしくて、気持ちを言ったら何かが変わりそうで、貴方を拒絶してしまった。
でもね……知ってる?
本当は、毎日貴方を見ていたんだよ。
恋をした日から、朝も昼も夜も君の声を姿を近くで感じていた。
それに君に対するラブレターも、チョコも、全部私が処分した。
それなのに……どうして気付いてくれなかったの?
どうして今でもその女をかばうの?

「ねぇ、どうして、その女を庇うの?坂城さん……」

私の一言に、目の前の二人が震え上がる。
いや、もしかしたら手に持ったさしみ包丁が怖いのかもしれない。
まあ、別に貴方の横の女が震え上がろうが、恐怖の叫びを上げようが、私にとってはどーでもいい事。だって、私の大事な貴方にたかるハエ、蛆虫、害虫だから。
でも、何で貴方まで畏怖してしまうのだろう?
別に私は特別な事なんてしてない。
しつこいラブレターやチョコレートのように、この処分しても処分しても処分しても懲りずに貴方にたかる害虫を消そうをしているだけなのに。

「どいてよ、坂城さん。 私、その害虫処分しなくちゃいけないんだから」

ガンを飛ばしてみる。当然貴方を傷つけようだなんて思ってはいない。
それなのに貴方は声を大きくして、私をしかりつける。
……また、失敗しちゃいそう。

「やめろ、美佐! そんなの洒落にならないぞ!」
「洒落? 洒落を言ってるのは坂城さんの方でしょ? だって今日は私と貴方だけのはず。そう、そのはずなのに、ずけずけと家に来たこの害虫を何で庇うの? 理解できない!したくもない!」
「害虫って……幼馴染みだから来てもおかしくないだろ? なあ、本当にどうしたんだよ、おかしいよ……」

貴方の目が弱くなる。
もしかして、また恐怖を感じた?
私とさしみ包丁……今度はどっち?
当然、さしみ包丁だよね、私分かってるから。貴方の…坂城の事なら、何でも分かってる。
きっと貴方は今この女に騙されているんだ。だからそんなことを言うし感じる。
大丈夫、私がこの女から助けてあげるし、愛してあげるから……
早く、目を覚まして!

「そう!幼馴染み!! それを理由にこの女は貴方を毒していったし私たちの邪魔をしてきた!! 覚えてる? バレンタイン! 本当は私、チョコレート貴方のためにつくったんだよ! それなのに、こいつが先に渡して、私はチョコを渡せなかった! 邪魔ばかりするの! 全て邪魔するこいつが悪い!坂城さんはだまされてるの! 今、私が救ってあげるから! だから、そこをどけぇぇぇえぇぇえ!」

私は、無理矢理貴方を突き飛ばす。
思いの外力が強かったようで、貴方は壁にぶつかってしまった。
貴方を救うためだもの。 許してくれるよね?
それに、今この害虫を守るものは何もない。
やるなら、今……
私がさしみ包丁を振り上げると、害虫は顔を恐怖で引きつらせる。
ついでに、まるでサイレンみたいな五月蝿いかな切り声まで……
でも、すぐにこれはとまるだろう

だって―――

ブジュァ!!

ポタ…

ポタポタ…

もう、腹は引き裂いたから。

「あ、あ……あぁぁぁぁぁぁぁあああぁあぁぁぁあ!!!!」
部屋中に害虫の叫びが響きわたる。
意外と、人間は死ににくいみたいだ。
あるいは、害虫なだけあってか生命力が常人以上とか?
まあ、どっちにしても、やる事は変わらない。

「五月蝿いのよ、この害虫が」

今度は、引き裂くだけじゃない。
引き裂かれた腹を押さえる腕を無理矢理どかして、その内臓を引き出す。
にわかにあがる蒸気……。
なるほど、人間の体内は温かいというのは本当らしい。
ある程度引き出し、引きちぎると、害虫は鳴かなくなっていた。
どうやら、絶命したらしい。
きがつけば、愛しい貴方が横に座っている。
目には生気がなく、呆然としている。少し刺激が強かったかもしれない。
でも、安心して。
これから私は素直になれる。 
そして貴方は一生私がまもるから――
■作者からのメッセージ
初めまして。
皆様、お忙しい中私のような者の作品にお目を通していただき、まことにありがとうございます。
下手くそな上に読みにくいとは存知ますが、評価など等よろしくお願いいたします

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